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当コーナーでは、皆様によりNGOの活動内容を知っていただくため、1〜2カ月に1団体のペースで順次NGOの紹介をしてまいります。
【バックナンバー】
第1回:ヒマラヤ保全協会  第2回:ジェン  第3回:地球の友と歩む会  第4回:日本国際ボランティアセンター  第5回:幼い難民を考える会
  第6回:シェア 第7回:ハンガー・フリー・ワールド  第8回:日本民際交流センター 第9回:緑のサヘル  第10回:シャプラニール 第11回:アジア学院
   
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〜難民キャンプの図書館が、
子どもたちの夢と創造性、自国の文化への
誇りを育む

シャンティ国際ボランティア会(SVA)の活動は、カンボジア難民支援としてタイにおいて図書館活動に取り組んだ1980年に始まります。
もっとも切実に支援の手を必要としているのは、紛争に巻き込まれ、生きることも危ぶまれる罪のない一般の人々であるという信念から、現在も、紛争の痛手をこうむるミャンマー難民やアフガニスタンの支援に取り組み、特に、子どもたちに夢と希望を与える教育支援に力を入れています。

(資料提供・協力:シャンティ国際ボランティア会、編集:NGOアリーナ寄付サイト事務局)
 


メラウ難民キャンプ

図書館の外観



1984年以降続く、ミャンマーの軍事政権。ミャンマーとタイの国境近くの難民キャンプでは、軍事政権の人権弾圧や強制労働などからタイに逃れてきた難民が、約15万人も生活しています。

すでにキャンプ生活が20年を越える難民も多く、ここで生まれ育った子どもたちは祖国を知らないまま、夢や希望を持てずに生きています。

SVAは2000年からミャンマー難民の支援に取り組んでいますが、中でも力を注いでいるのが図書館活動で、現在は、10か所の難民キャンプの7か所で、合計22の図書館を建設・運営しています。

なぜ、難民支援が図書館活動なのでしょうか? 
それは、人々を荒廃した国土の復興に立ち上がらせ、発展させる基礎は文化である、と信じているからです。そして、本に接することで、子どもの心に平和の種や異文化への理解を育むことができ、将来的に、紛争の原因である民族対立を緩和できるはずだと考えるからです。

読書体験を通してトラウマを癒すことも可能となります。実際、館を訪れた子どもが「図書館でいろんなことをしていると楽しくて、つらいことを忘れていられるの」と言うのを聞いたこともあります。その言葉は、多くの子どもの気持ちを代弁しているに違いありません。


図書館内の子どもたち

(上記写真2枚)
撮影:瀬戸正夫/(社)シャンティ国際ボランティア会



竹とユーカリで建設されたそれぞれの図書館には、いずれも児童室、大人の部屋、司書室の3部屋が備えられています。その中でもっとも広いスペースが割り当てられているのは、児童室。大勢の子どもたちに、読み聞かせをしたり、工作・お絵かきなどの文化活動を展開したりできるようになっています。

収蔵している本は、難民たちの母語であるカレン語と、公用語であるビルマ語で書かれたものですが、カレン語の本や児童書は入手がとても難しいため、難民の中から選ばれた図書館事業スタッフがタイ語などから翻訳したテキストを、本に貼り付けて配布している状況です。SVA自体がカレン語、ビルマ語の本を出版することもあります。

図書館では、無料で本を貸し出すのはもちろん、子どもたちへの読み聞かせや、お絵かき、歌、手遊び、折り紙、工作などの文化活動もおこなっています。時には伝統舞踊・伝統楽器の教室や人形劇公演を開くこともあります。

運営しているのは、SVAのトレーニングを受けた図書館員たち。活動の様子を毎日「図書館日記」に記入してもらうことで、SVAが訪問したときに問題点を見つけ、改善に向けてのアドバイスの参考にしています。




(上記写真2枚)撮影:HCR協会/井上清治



子どもたちの多くは、図書館で繰り返し聞いたお話を、自宅に帰って両親や幼い弟妹に聞かせてあげているそうです。

新しい絵本が届いたときの子どもたちの興奮はすごかったと聞いたり、図書館員の日記で「今日は子どもたちのリクエストが途切れず、25冊も絵本の読み聞かせをしました」と見たりすると、図書館はしっかりキャンプに根付いているのだと実感できます。

はじめは本の取り合いをしていた子どもたちも、次第に皆で一緒に読むようになるなど、本を扱うことで協調性も芽生えてきているそうです。

配布された本はまだまだ少ないですが、世界中の子どもたちに読み継がれてきた本は、子どもたちの想像力や思考力に大きな刺激を与えてくれます。

本を読む楽しさを覚えた子どもたちは、自然の欲求として、さらなる知識を求めます。その知的欲求に応えて、今後は、イマジネーションを膨らませるための絵本に加え、動物・植物の生態や乗り物、海の中の世界を示す絵本など、現実の世界に目を向けるための本も、高学年の子どもたちに向けて揃えていきたいと考えています。図書館活動は、多くの子どもの心に栄養を与える活動なのですから。


サマーコース英語授業(高校)
撮影:瀬戸正夫/(社)シャンティ国際ボランティア会

職業訓練を受ける女性
撮影:瀬戸正夫/(社)シャンティ国際ボランティア会



図書館の存在を喜んでいるのは、何も子どもたちではありません。館内に備えられたリクエスト箱には、大人たちからも「こんな本が読みたい」というリクエストがたくさん入っていますし、よりよい図書館づくりへのアイディアや、将来の要望が投函されていることもあります。自由にキャンプ外に移動できない彼らにとって、本は外の世界と彼らをつなぐ重要なパイプでもあるのです。

「帰還の日まで、本の支援は続けてください!」という青年たちの切実な声を耳にすると、就職する場もなく、自分の力を活かすことのできない若者たちの苦悩は、子どもたち以上に悲痛なのだとも感じられます。

ある青年は、「これまで時間があっても、行く場所がなかった。でも、今は図書館がある」と話してくれました。ある図書館員は、「図書館はすべての老若男女にとって、希望の一つです」と言っています。SVAが難民キャンプに図書館をつくってきた意義は、彼らのこの言葉に端的に表れているといえるでしょう。

新しい生活や生き方を提示させることも、個々人の能力を高めることも、人格を磨くこともできるのが、本というものです。図書館活動は、子どもからお年寄りまで、悩み苦しむすべての人々に希望を与えるものだとSVAは信じています。

 

「シャンティ国際ボランティア会(SVA)」の活動へ、皆様のご支援をお待ちしております。

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