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当コーナーでは、皆様によりNGOの活動内容を知っていただくため、1〜2カ月に1団体のペースで順次NGOの紹介をしてまいります。
【バックナンバー】
第1回:ヒマラヤ保全協会  第2回:ジェン  第3回:地球の友と歩む会  第4回:日本国際ボランティアセンター  第5回:幼い難民を考える会
  第6回:シェア 第7回:ハンガー・フリー・ワールド  第8回:日本民際交流センター 第9回:緑のサヘル  第10回:シャプラニール
   
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― 共に働き、共に食し、共に生きるために ―
アジアの“草の根”農村リーダーを養成

キリストの愛の教えに基づき、共に分かち合う生き方を目指して、途上国の農村指導者の養成と訓練をおこなっているアジア学院。
アジア・アフリカの農村地域から、毎年20〜30名の草の根農村リーダーを招き、9ヶ月間、有機農業を基礎とした食糧自給のための実践的な研修をおこなっています。
1973年の創立以来、卒業生は52カ国約1000人にも上り、それぞれ母国の農業リーダーとして活躍しています。
  

(資料提供・協力:アジア学院、編集:NGOアリーナ寄付サイト事務局)
 



栃木県西那須野の山腹に広がる約6ヘクタールもの農場が、アジア学院のキャンパスです。ここには畑や田んぼ、牛舎や豚舎はもちろん、炭焼き窯や食品加工棟、コンポスト(堆肥場)、風力発電システムまで備えられています。

アジア・アフリカ・太平洋州の各国・地域から招かれた学生たちは、このキャンパスで職員やボランティアと共に生活しながら、有機農業を基礎とした「持続可能な農業」に実践的に取り組んでいます。

創立のきっかけは、東京都の農村伝道神学校の教師だった高見敏弘さんが、バングラデシュにいたカナダ人神父から稲作の手伝いを請われたこと。有志50人を連れて現地に赴くと、日本から贈られた耕運機数百台が、使われないまま港で野ざらしにされていたそうです。

「現地で耕運機が使われていないのは、指導者がいないからだ。現地に根付く人材を育てなくては……」

高見さんは、農村地域社会が適性に繁栄し、そこで生きる人々の暮らしが向上するためには農村リーダーを養成する必要があると痛感し、アジア学院の設立に奔走したのです。

モットーは「共に働き、共に食し、共に生きる」。ここには「命を支える食べ物を自分たちで生み出す。人と人が、人と自然が共に生きる意味を学んでほしい」という高見さんの願いが込められています。

 



アジア学院では、家畜のフンやぬかなどを発酵させた肥料を用いた有機農業を実践し、食べるものはほぼ自給自足。研修生たちは朝夕一時間ずつ田畑で働くほか、家畜の世話をし、食事も交代で自分たちでつくります。

そして、「指導者論」「開発論(世界経済と世界化、食糧問題と栄養、環境と開発、人権問題、平和問題等)」「農村調査法」「農村開発と共同体組織」などを学び、「小規模農村開発プロジェクト」にも取り組んでいます。

学院が有機農業にこだわっているのは、どうしてでしょうか? 

それは、「共生」の思想と深くかかわっています。

途上国の貧しい農家では、高価な化学肥料や農薬の購入が高額な借金に直結し、借金返済のために商品作物を栽培しようとすると、自分たち自身の食糧を自給できなくなり、伝統的食文化も失われていってしまうのです。

また、化学肥料の使用が続くと「地力」が弱まることも問題です。作物の収量が低下すれば、それがまた貧しさにつながるという悪循環に陥ってしまいます。

しかし、畜産・稲作・畑作の複合的な有機農業であれば、食糧の自給にもつながり、土地の力も回復して作物は地域に循環し、農業は長い間持続可能なものとなるのです。

 



学院の活動のベースにあるのはキリスト教の教えですが、学院の研修生たちは出身国も宗教もさまざまです。文化も言語も異なる人々の共同生活は、誤解が生じることも多く、仕事を巡るいさかいもしばしば。しかし、異文化共生と、その難しさを体験することが、指導者の養成に役立つことも事実です。

異文化や他者との関係の中で、トラブルを乗り越えて信頼関係を築いていくにはどうしたらよいのか。集団での仕事をどう配分すれば、皆が公正だと感じてくれるのか――。講義だけではなく、日々の生活を通しても、共同体の指導者としての資質や振る舞いが身につけられるといえるでしょう。

また、貧しい農村地域の人々は「自分たちはダメだから、外からよいものを取り入れよう」と、外部依存的に考える傾向があります。

しかし、異文化の人々と共に生き、カルチャーショックを体験する中で、自分たちの文化や歴史、価値観を再認識し、「自分たちには能力も資源も十分になる」と誇りと自信に目覚め、自ら行動できるようになるのです。

副校長の荒川朋子さんは、「この『気づき』と『目覚め』によって、研修生たちは自らのコミュニティーの将来を創造的にイメージできるようになり、農村社会の自立と発展に向けての行動につなげることができるのです」と説明します。

9ヶ月間の研修で鍛えられ、巣立っていった研修生は、すでに1000人以上。母国に戻った卒業生をめぐる状況は、必ずしも恵まれたものとは限りません。

しかし、ザンビアで超教派閥開発財団を創立し、小作農民に有機農業の実践的技術や食品加工、小規模金融を教え、1996年の創立以来600人の卒業生を送り出している人や、インドで開発や平和の問題に取り組む団体を設立し、女性やアウトカーストの人々でも現金収入が得られるようなプロジェクトを始めた人など、アジア学院で学んだ知識・技術と明確なヴィジョンを胸に、それぞれの地で志を実現しようと奮闘しています。

彼らがアジア、アフリカ各国で蒔いた種は、いつか必ず平和と共生の花を大きく咲かせるに違いありません。
 

「アジア学院」の活動へ、皆様のご支援をお待ちしております。

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