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下記の大洪水緊急募金は、2004年10月15日をもちまして終了させていただきました。
皆様のご支援ありがとうございました。


   
【活動終了報告】  収支報告はこちら(PDFファイル)
◆今回の洪水の特徴

今回の特徴は、大きく二つにまとめられると思います。一つは、水位の上昇スピードが激しく、そしてピークが普段より数週間早くきてしまったこと。もう一つは、ピーク後の水の引き方も早かったことです。バングラデシュ全土で64県中、39県が被害を受け、被災者数は3,300万人を超えると言われています。

◆シャプラニールがすべきことは何か

私たちダッカ事務所では、活動現場から刻々と寄せられる洪水状況の分析はもとより、他のNGOや政府機関からの情報収集にも努めながら、私たちができること、またシャプラニールだからこそすべきことは何かを、水位の上昇がほぼピークを迎えた7月中旬以降、考えていきました。

今回、7月下旬から水位が下がり始めたという情報があったこと、また十分ではないものの、政府が各地に設置した避難所(公立の学校などを利用)で断続的な食糧配布が行われている状況であったことなどから、シャプラニールでは慎重に情勢判断をし、食料については本当に必要な時に必要な分だけに限定して配布することとしました。

また同時に、このまま水が引いていけば今度は、ぬかるみがいたる所に残って急激に衛生環境が悪化し、下痢症や赤痢、皮膚病などの感染症が蔓延する恐れがあったため、保健衛生の面で何かできないだろうかということも考えていました。

そんな折、洪水に関する情報交換をするために訪れたJICA(ジャイカ・独立行政法人国際協力機構)でも、医薬品を中心とした支援を考えているという話を聞き、7月末から8月初めにかけて、シャプラニールとしての活動案とあわせ、JICAへの提案をまとめる作業に着手しました。

その結果、JICAからは日本政府の緊急援助物資として医薬品を提供してもらい、それを利用した巡回医療チームをシャプラニールで結成し、保健衛生サービスの機会を広く提供することを救援活動の中心とする。そして最も貧しい人々に限定した小規模な食糧配布を実施するほか、水没した井戸の分解洗浄、牛を中心とした家畜へのワクチン接種(伝染病の蔓延を防ぐため)、家庭菜園用の野菜の種子配布をあわせて実施することを決め、順次実施にとりかかっていきました。
   

<巡回診療の様子
子どもの皮膚病は非常に多い>
◆巡回診療チームを結成

保健医療サービスはできるだけ多くの人々に公平に届けるべきものであるという考えから、シャプラニールは、他のNGO、14団体とも連携して通常の活動地にその周辺地域を加え、できるだけ広い範囲をカバーすることにしました。その結果、3県で計34の巡回診療チームを作ることができました。

1チームは最低3人で構成され、医師かそれに準じる資格をもつ人が必ず1人入るほか、シャプラニールか他のNGOのスタッフが一人、そして近隣のボランティアが1人で、毎日場所を変えながら巡回していきます。各チームはおよそ30種類の薬品を常備していますが抗生物質も多く、その効果を確認する意味もあって、1カ所を5日から7日ごとに再訪するのを巡回の基本としました。洪水の水が引いたあとによく見られる疾患としては、まず皮膚病があります。疥癬(かいせん)とよばれる伝染性のものが最も多く見られます。次に多いのが大腸炎などの下痢性疾患。そして一般的な風邪と区別がつけにくいのですが、発熱と咳を訴える人、赤痢などの感染症、外耳炎なども多くみられます。こうした疾患に対して適切な処方箋を書き、その場で必要な分量の医薬品を渡すという活動を展開しています。
   
8月11日から巡回診療を開始したのですが、当初の見込みを大幅に上回る数の村人が毎日殺到していて、そのニーズの高さに職員一同、非常に驚いています。34チームが1カ月間巡回して延べ75,000人程度を診察する予定でしたが、これまでの勢いでは10万人を軽く超えてしまいそうです。村人はこんなにも普段、医療からは縁遠いのだということを、改めて認識するいい機会にもなりました。中には洪水になってから、政府やNGOの支援がまったく届いておらず、私たちの巡回診療チームが訪れたのが初めてだったという村もかなりあり、そうしたところでは薬の搬入や搬出を手伝うボランティアがたくさん現れたり、チームのために昼食の準備をしてくれるといった例までありました。1日の仕事を終えて村をあとにする時、見えなくなるまで手をふって別れを惜しんでくれる様子に感動し、と涙するスタッフもいました。
一括購入した医薬品を夜に受け取りにきたパートナーNGOの代表者ら
<大量の医薬品を仕分け
している様子>
   

<食糧配布の様子>
◆村人は洪水にどう対応したのか

水がかなり引き、学校なども通常のクラスを再開しようとしていた8月15日、今回最も被害の大きかった村の一つ、ノルシンディ県のイブラヒムプール村を訪ねてみました。ここは旧ブラマプトラ川に面した村のため、急激な水位の上昇によってほとんどの家が浸水し、2週間以上にわたって交通も寸断されていた地域です。

もっとも厳しい状況におかれていた村人の一人、カレダ・ベグンさんによれば、やはり水位の上昇があまりにも早かったため、何も準備ができなかったとのこと。避難所に行こうにも、家には借金をして購入した足踏みミシンがあり、盗難が怖くて動けなかったそうです。2年前に夫を病気で失ったカレダさんは、8歳になる一人娘を育てるため、ミシンによる裁縫の仕事に加え、小さい頃に覚えたアラビア語の文字(少し前までの村の女性は普通教育を受けずにアラビア語で書かれたコーランを勉強させられることが多かった)を近所の子どもに教えることで収入の足しにしているのですが、そうした仕事が洪水の間はすべて途絶えてしまい、ご近所から食糧を少しずつ分けてもらいながら、なんとか食いつないでいたとのことです。
 
彼女はPAPRI(シャプラニールのパートナー団体)を通して8月6日に食糧の配布を受けたのですが、大切に少しずつ食べているようで、それから9日が経っていた私の訪問時でも、まだ500グラムほどの米が残っていました。また、娘のヒラモニちゃん(小学2年生)は熱と咳が続いていたので、巡回診療チームの話を聞いてすぐにかけつけ、薬をもらったそうです。
このように、村人にはそれぞれ家庭の事情があるため、機械的に食糧を配布したり、避難所を設置するだけではあまり効果が発揮されないケースも多くみられます。その意味で、普段から地道な活動を展開し、地域とそこで暮らす村人の生活の様子を熟知しているNGOが、緊急救援活動と住民との間にたつことで、その有効性がより高まるのだといえるでしょう。カレダさんのような厳しい状況にある人々へ直接支援を届けることができたのを自分の目で確かめることができ、今回の活動内容の選択が間違っていなかったことを私は確信しました。
   
これから必要なことは

緊急救援活動を終了した現在、水も引き、村は一見すると普段どおりです。しかし、壊れた家や家の周りの補修や整備、また、農民であれば、次の作付けのために肥料や種の購入を急ぐことから、この間、多くの村人は多かれ少なかれ借金をしています。
こうした状況の中、緊急救援後の復興支援活動として何をすべきか、慎重に検討を進めています。これまでのところ、株式会社サカタのタネ様からこの時期に播く野菜の種苗の提供を受け、村人に対して配布をするほか、シャプラニールのパートナー団体であるSTEPの活動地域(マニクゴンジ県ポイラ地域)での限定的な道路補修を実施することが決定されています。また、災害対策・予防を専門とする部署を立ち上げ、同時に、被害状況に応じた即応体制がとれるような準備(住民リストやマニュアルの整備等)を進めていくことも検討されています。

いずれにせよ、村人が本当に必要としていることは何か、シャプラニールとして何をすべきなのかという問題意識を常に念頭におき、最も有効でかつ公平な復興支援をしていきたいと考えています。
最後になりましたがたくさんの方々からの募金や作業でのお手伝い本当にありがとうございました。
 
【皆様のご支援をお願いいたします】

<ダッカ市内近郊道路
わきにて>

■バングラデシュ大洪水発生!被災者の緊急救援にご協力を

◆食糧がなくなる…。


シャプラニールが現在活動しているバングラデシュの3つの農村地域はそれぞれ大規模な被害を受けています。そのうち、洪水の銀座といわれるほど、毎年小規模な洪水に見舞われるマニクゴンジ県ギオール郡では、普段よりもかなり早い時期に急激な水位上昇に見舞われたため、貯蔵していた「もみ米」を精米する準備ができず、せっかくのストックが役立てられていません。政府からの食糧供給は断続的に行われているが、大半は裏で売却されてしまうなど、村人には行き渡っていないようです。



<完全に浸水してしまった学校
は子どもの背丈では歩けない>
◆バングラデシュ全土で3300万人が洪水の被害に

7月から記録的な大雨が続くバングラデシュは、全国各地で河川の増水による深刻な洪水被害に見舞われています。その規模は1998年の大洪水以来最大のもので、8月に入って水位は小康状態になったものの、8月4日現在、全国64県のうち39県に被害が及び、3300万人以上が被災し、作物にも壊滅的な被害が及んでいます。電線切断による感電や逃げ場所を失ったヘビにかまれるなどが原因で亡くなった人は600人を超え、今後は水の汚染による伝染病等の発生も心配されています。
   
◆緊急救援を開始

そこで、シャプラニールでは現地NGO、STEPとの連携によりギオール郡の特に被害がひどい地域において、7月31日、食糧配布を中心とした第一次の緊急救援活動を実施しました。これは、現地被災状況を村人の意見を聞きながら最も厳しい状況におかれている世帯を選定したものです。規模的には大きくないものの、村人の意見を聞いたこともあって、「あの家庭への支援を決めてくれたのは、自分も嬉しい」と言葉をかけてくれたり、労いの言葉をかけてくれる村人が多かったようです。

◎配布内容
・対象世帯:150世帯
・配布物資(1世帯につき1週間分の食糧として) 米7キロ、ダール豆1キロ、塩1キロ

<食料配布の様子>
   

◆二次被害はこれからはじまる…

洪水救援の場合、より重要なのは、水が引き始めた後となります。シャプラニールでは、今後、より広範囲にかつ効果的な活動にするため、現地事情に詳しいバングラデシュの13のNGOと連携する形でマニクゴンジ県、ノルシンディ県、マイメンシン県の3県で巡回医療サービスを中心とする第二次の救援を行います。

◎第二次救援活動の内容
・巡回医療チームの派遣:493,000世帯対象
・井戸の分解洗浄:清潔な飲料水確保のため 等

◆共生の思いを持って被災者の救援にご協力を!


シャプラニールでは32年にわたって、バングラデシュの貧困層の住民たちの自立的な相互扶助活動を支援してきました。今回の大洪水でも村人たちはお互いに助け合い、共同して被災を乗り越えようとしています。しかし食糧や医薬品等の不足は深刻な問題であり、また農業の復興や物的被害の修復には多くの資金が必要です。日本国内でも水による被害が相次ぎ、まさに同様の復興への努力が進められています。すべての人々が豊かに共生できる地球社会の実現を目指し、ぜひバングラデシュの村人の努力をご支援ください。

・募金目標:1500万円
・キャンペーン実施期間:2004年8月5日〜10月15日

なお、いただいた募金のうち、2割を通信費など今回の活動にかかる管理経費に計上させていただきます。なにとぞご了承ください。

最新情報は特設のウェブサイトをご覧ください。
http://www.shaplaneer.org/campaign/flood04.htm