洞爺湖サミットが終了しました。
サミットを振り返り、当方としての見解を述べさせていただきます。
サミットに向け、日本のNGOにとっては歴史上初めて、様々な分野のNGO 141団体が集結し、一つの組織「2008年G8サミットフォーラム」が結成されました。
NGOは日頃、それぞれの分野(環境、貧困・開発、人権・平和)で個別に活動しています。最終的に求めるものは同じでも、それぞれ設立経緯、歴史、理念、組織形態等が異なるNGOが集結し、サミットに市民の声を届けようと意見を集約し、一つにまとめられたことは、大変素晴らしいことだったと思います。
また、G8サミットとは別に「市民サミット2008」が開催され、海外のNGOを含む多くのNGOが一般市民に向けてワークショップやセミナーを開催できたことも、大きな成果だったと思います。
しかしながら期待していたメディアでの報道は、一部のNGOは明確なポリシーを持った団体として紹介されていましたが、単なる批判的な団体として紹介されることも多く、残念ながら、日本ではNGOが市民権を得るにはまだまだ様々な工夫が必要だと感じざるを得ませんでした。
またサミット終了後に、特に海外のNGOが出した声明やポスターの中にはサミットに批判的な論調だけのものが多く、こうした批判的な論調だけを展開するNGOが大きくクローズアップされることは、市民へのNGO全体のイメージ及びサミットの意義に関して、マイナスに働いてしまうのではないかという懸念が残ります。
確かに、環境問題で言えば、強く要求していた温室効果ガス削減の中期目標が明確にされず、日頃途上国の方々と接しているNGOとしては、到底満足なものではなかったことと推察します。
差し迫る地球温暖化問題を考えれば一刻の猶予も許されない状況であり、各国首脳には危機感を持って取り組んで欲しいという想いは痛いほど分かります。
しかしながら、政府の中にもNGO出身の政治家の方もおり、環境省・経産省、その他多くの方々がこのサミットに向け、数年にわたって大変な努力をされてきたと見聞きしています。
そうした方々の努力に配慮することなく、批判的な主張だけをし続けることは、NGOにとって決して得策ではないように思いますし、努力されてきた方々を応援することなく、肩身を狭くさせている可能性もあります。
悪い面への改善を求めると共に良い面にも目を向け、良い面をしっかりと評価する必要があるのではないでしょうか。
その良い面としては、まず、2050年までに温室効果ガスを半減させるという長期目標の合意に、アメリカを引き込むことができました。また中国やインド、ブラジル、メキシコ、南アフリカの新興5か国も交え、同じテーブルで議論を交わすことができました。
互いの批判・対立、焦りや気負いは、決して良い結果を生みません。まして温暖化という大きな問題の前には、それぞれの立場でできるところから一つ一つ努力し、評価し盛り上げていくしかありません。
NGOは、政府や産業界という巨大な力を持った組織体に対し、市民の立場から意見を述べることのできる、必要不可欠な存在です。
そうであるからこそ、今回、NGOの主張は市民に理解されやすいものであったのか、また市民からの参加・評価は十分なものであったのか、メディアでの紹介のされ方はどうだったのか、そうした点を確認し、明日に生かし、より市民からの声を大きくしていくことこそ、NGOに求められるべきことではないでしょうか。
社会や巨大な組織が動くためには、歴史上、非常に長い時間がかかっています。
(環境先進国であるスウェーデンでは、環境に対する取り組みは100年前から始まっています。今や電力の49%は再生可能エネルギー、家庭ごみのリサイクル率は90パーセントを超えていますが、その背景として、スウェーデンの環境教育は4才から始まり、年月を掛けて、グリーンコンシューマー=環境に配慮した商品・サービスを選ぶ消費者や環境に造詣の深い人々
を育て大きな成果に結び付けています。)
昨日より、一歩でも一ミリでも前に進めたことを、先ずはお互いに喜び合い、更なる思考や実行において共に手を携え、環境問題や貧困問題等の大きな問題に取り組んでいけることを願っています。
平成20年7月11日
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