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〜私たちは「いくら」を「どこ」に寄付するのか?〜
2007年1月20日(土)13:30〜17:00、JICA地球ひろばにて、「寄付フォーラム2007」が開催されました。
(主催:
国際青年環境NGO A SEED JAPAN、 後援:東京ボランティア・市民活動センター、 助成:地球環境基金)
http://www.aseed.org/info/info06_1129.html

すでに寄付を行われている方、今後寄付をしたいと考えている方々を対象に、事例報告者として発表させていただきました。当日の発表内容を、主催団体様の許可をいただき、下記のとおりご報告させていただきます。
※分かり易さのため、当日の内容と少々異なる箇所があります。ご了承の程、お願い申し上げます。

<事例報告:見出し抜粋>

はじめに  NGOアリーナ寄付サイトとは  寄付サイトの目的  サイト運営を通して感じたこと

運営上苦慮した点1・2  寄付者が気をつけなければいけない点  寄付サイト協働基準 

最後に 〜ノーブレス・オブリージュという考え方〜

 

フロアディスカッションの様子



◇はじめに

ただ今ご紹介にあずかりました、NGOアリーナの竹澤と申します。本日はどうぞ宜しくお願いいたします。

日頃、こうした大勢の皆様の前でお話をさせていただく機会はほとんどないので今日はとても緊張しておりますが、このような機会を与えていただきましたことに、大変感謝しています。ありがとうございます。

また今日はもしかいたしますと、当サイトを通じてご寄付いただいた方がお越しになっていらっしゃるかもしれません。この場をお借りし、深く御礼申し上げます。

◇NGOアリーナ寄付サイトとは

私共の「NGOアリーナ寄付サイト」は、今から6年前に誕生いたしました。

アフリカにご滞在経験をお持ちで、現在ご自身でもNGOを行われていらっしゃいます龍谷大学の大林教授が、「海外ではNGOを支援するための支援方法として、インターネット上で寄付を集める手法が実績を上げているので、日本でも行いたい」、ということで、JANICさんはじめ様々な方々の協力をいただきまして、開設にいたりました。

当初自分達でNGO活動を行いたいという意見もあったのですが、技術や経験もないため、それであればすでに活動を行われていらっしゃるNGOの方々の後方支援活動をさせていただいた方がよいのではないかということで、現在のスタイルとなりました。

6年前はまだ現在ほどインターネット上での募金活動やクリック募金等の寄付の仕組みが、盛んではありませんでした。この6年間で、随分と寄付の手法が多様化され、寄付文化として根付いてきたことを実感しております。

◇NGOアリーナ寄付サイトの目的


私共はこの6年間、一貫して、「寄付文化」の創出を目的として活動させていただいてまいりました。
文化、というのは、知らず知らずに人々の生活に浸透し、世代を超えて伝承されていくものです。またカルチャー、耕す、に由来した言葉です。

この「耕す」という言葉どおり、この6年間、ただひたすらひと鍬ひと鍬、いただきましたご寄付の1件1件を日々大切に受け取らさせていただき、NGOの方々に託し、活動として具現化していただく、ただその思いで行わせていただいてまいりました。

すべての寄付者の方に完璧に対応できているとは言いきれませんが、たとえば、継続してご寄付いただいている方々へは、「何回目のご寄付をありがとうございます。」というように、回数を表示させていただいたり、特定のNGO指定でご寄付をいただいた場合は、そのNGOの動向や担当者の方の取り組み姿勢等を、本当に簡単ではございますが、コメントさせていただくように心がけております。

私が担当させていただきましたのは今から4年前になりますが、当初、これほど多くの方々が、社会に対して何かをされたい、と思われているということに、大変感動いたしました。

私自身、いくつかのNGOの会員になっており、また定期的に寄付もさせていただいておりますが、お金を寄付する、ということは、それほど簡単なことではない、と思っております。

NHKの歳末たすけあい募金や、ユニセフさん、赤十字さん、NGOでも大手NGOさんなどは、短期間で何億という募金を集められたということで蒼々たる数字が発表されていますが、その数字も、1件1件のご寄付の積み重ねである、ということは、忘れてはならないことだと思っています。

私共のサイトは、決済手段といたしましては、ジャパンネット銀行を含む銀行振り込みと、郵便振込み、この2つしかございません。この2つというのはどういうことかといいますと、ご説明させていただくまでもありませんが、寄付者の方がわざわざサイトから口座番号をメモしていただき、銀行や郵便局の窓口へ足を運ばれ、手続きいただくということです。

決済手段の多様化等につきましては様々な方よりご意見を頂戴することもありますが、私共が目指しておりますのはあくまで「寄付文化の創出」であり、寄付という行為そのものが意味のあることであるという捉え方をさせていただいておりますので、頑固なまでに間接経費のかからない、この寄付方法のみで行わせていただいております。

それでも私共のサイトを通じ、この6年間にいただきましたご寄付を集計させていただきましたところ、約5,000人7,000万円のご寄付をいただいたことが分かりました。またNGOの方々からも、当サイトを通じ会員獲得につながったですとか、企業の方が当サイトをご覧になられて直接NGOにコンタクトをとられ、企業との提携や大口寄付につながったということをご報告いただいています。

開設当初は半年以上、1件のご寄付もなかったと聞いております。
あらためて寄付いただいた方へ感謝いたしますとともに、いただいたご寄付に対する責任の重さをしっかりと受け止め、気を引き締めて活動させていただかなければと思っております。






◇サイト運営を通して感じたこと

6年間の運営を通じて感じたこと、ということで思いつくままにかかせていただきましたが、私個人といたしましては、金額は上を見ればきりがありませんが、日本に寄付文化はあると信じています。

どなたかがおっしゃられていたのですが、『日本には寄付文化がないとよく言われるが、それはただ、寄付という行動にいたるまでの動機づけとなるシンプルでわかりやすいメッセージの発信や、身近にできる取り組みやきっかけがないだけではないか』と言われていました。

私自身も、このあと発表されます「ほっとけない世界の貧しさ」さんのような取り組みに対する人々の反応や昨今の流れを見ておりますと、本当にこのとおりで、ただきっかけがないだけではないかというふうに感じております。

◇運営上苦慮した点その1 〜コミュニケーションについて〜

この6年間、私共は寄付者の方々のお陰で、NGOの方々とご一緒させていただきましたが、実は大変苦労いたしましたのは、今日はNGO関係者の方も多くいらっしゃっているということで大変申し上げにくいのですが、実はこのNGOのご担当者の方々とのコミュニケーションと、先程申し上げました、寄付という行為にいたるまでの前提となる、「シンプルで分かりやすいメッセージの発信」ということに対する意識の違いでした。

ここで一つお断りさせていただきたいのですが、本当は各団体様それぞれ全く違っていらっしゃるのすが、ここでは「NGOの方々」ということでひとくくりにしてお話しさせていただかなければならないので、大変心苦しく感じています。今から申し上げますことは、以前当サイトに参加いただいていたごく一部の団体さんのこととなりますので、その点ご了承いただければ幸いに存じます。

まずコミュニケーションにつきましてですが、皆様の思いのつのった寄付を送金させていただきく訳ですが、その際、もちろんすぐに返信の御礼メールをお送りいただける団体さんも多いのですが、残念ながら過去にはなんら返信いただけない団体さんも多くいらっしゃいました。

このような時、私共でしたら、ちゃんとお届けできているか心配なので、返信ください、ということをしつこく申し上げることもできますが、普通のドナーであれば、なにも言わずに、去っていかれるだけだと思います。

寄付が集まらないともし思われているNGOさんがいらっしゃいましたら、当たり前のコミュニケーションができていない場合がないか、末端のご担当者まできちんと誠実な対応がとれているか、今一度検証していただく必要があるように思います。やはりどんなにDMを打っても、一つの対応で信頼や支援しようと思う気持ちをNGOの方々自ら失われている場合も、少なくないのではないかと思っています。

◇運営上苦慮した点その2 〜メッセージの発信について〜

次に「シンプルで分かりやすいメッセージの発信」ということにつきましてですが、私共は3年前に、サイト構成を変えさせていただきました。

それまでは団体ごとに表示し、寄付を募るというサイト構成になっておりましたが、主な2つの事業を出していただき、それをもとに、国別・支援対象者別・分野別に分け、団体ごとだけでなくカテゴリーごとにも寄付していただけるという構成に変えさせていただきました。

これは私自身担当させていただき感じたことなのですが、NGOの活動を深く知りたいと思えば思うほど、どの団体がどこでどのような活動をされているのかをすべて把握させていただくことが難しく、いつまでたっても理解できないという状況がありました。

私自身この2つの事業を出していただけるようになってから、各団体さんの特徴が浮かび上がり、より理解が深まるようになってきました。

各団体さんが出されていらっしゃる情報は、こうしたこと、ああしたことを行っています、という情報が多く、そうした情報も確かに必要なのですが、私自身一ドナーとして欲している情報は実はそうした情報よりも、そのプロジェクトの背景にはこんな事情があって、どんなご苦労があって、そのことに対して何年間でこうしたことをしようとしている、そして今こんな成果がでてきている、ということを断片的ではなく全体像をシンプルに伝えていただくことではないかと思っています。それらは決して膨大な量の情報ではないのではないか、と思っています。

例えば植林活動でしたら、「何本の木を植えています」というメッセージだけでなく、
「現地の人々にとってまず必要なのは、きれいな水を飲みたい、ということです。次に安定した食料、3番目は医療施設の充実です。確かに植林活動は、地球環境問題における重要性がわかっている日本からしますと大変重要な活動ですが、現地の方々にこの活動の重要性を分かっていただくことはなかなか大変です。」
少し長いですがこのようなメッセージがあれば、活動に対する理解はぐんと深まると思います。

話を戻させていただきますが、2つの事業の記事を出していただくときに、もちろんすぐにご理解いただき、出していただける団体さんもあったのですが、2つには絞りきれない、というような理由で、締切日をすぎても提出がいただけない団体さんもいらっしゃいましたので、そうした団体さんにつきましては、私の方でwebページや会報誌等を参考にページを作成させていただき、それを確認していただく、という方法でリニューアルさせていただきました。

NGOの方々にはできましたらもう少し、数ある団体の中でご自身の団体はどう違うのか、どのような差別かが図れているのか、ご自身の団体の強みと弱み、それをもう少し強く打ち出していただくことができれば有難いと思っています。

この2つの事業につきましては、プロジェクトが終了される場合もあるので、1年に2回見直しをさせていただいております。
実は来月見直しの時期になっているのですが、今は数年前と違ってドナーの方も年々NGOの活動について大変詳しくなられているので、NGOのご担当者の方にご協力いただき、より詳しい内容を説明できるページに変えていく必要を感じています。

現在ご参加いただいているNGOの方々は長いお付き合いをさせていただいているせいか皆さんお忙しい中大変よくご協力いただいています。

◇寄付者が気をつけなければいけない点

以上諸々申し上げましたが、ただ私自身も気をつけなければと思っておりますのは、私ともをはじめとする寄付者のための情報提供や実務に追われ、現地の把握や現地とのコミュニケーション、現地のニーズにそぐわないような活動になってしまわれること等は避けなければならない、ということです。

中小のNGOの職員の方々はお一人で本当にいくつもの仕事を兼任されていらっしゃいます。また大変素晴らしい方が多いです。

私を含みます寄付者とのコミュニケーションは確かに大切なことなのですが、こうした活動は、実際大変なエネルギーがいる割には金額も小さかったり、集まるときと集まらないときの浮き沈みが大きかったりしますので、私共ドナーはNGOの組織基盤の重要性を念頭に置いて継続的な支援を続けるとともに、NGOの方々には是非支援者とのコミュニケーションは1件1件大切に行っていただければと思っています。


(クリックすると拡大します)


◇協働させていただいているNGO基準

昨年の4月に、いくつかの団体様との協働をやめさせていただき、当サイトとしての協働基準を設定させていただきました。少し細かいですが、左のとおりとなります。

こちらをご覧いただければお分かりいただけるとおり、私共は大きすぎる団体さんとは協働させていただいておりません。また助成金や委託金等の比率の高い団体さんとは協働させていただいておりません。
大きな組織は、資金調達部門やweb部門にもそれぞれ多くの人数を配置することができるため、資金も豊富で資金集めにもたけていらっしゃるので、支援が集まりやすいという特徴があります。
また助成金や国連委託金等の比率の高い団体は、私の経験上では、自己資金を増やそう、支援者を広く募ろうという意識が低いように感じられました。

中小規模でも、たとえwebサイトが今ひとつでも、現地の人々からの信頼が厚く、高い評価を受けている、地道な活動をしている団体は多くあります。
またこうした団体は限られた資金と人材で精一杯活動と運営をされていらっしゃるので、寄付集めは正直お上手ではないのですが、会報誌を読んでいますと、紙面のはしばしに、お決まりの言葉ではない、なんていうんでしょう、魂がこもっった言葉や姿勢をみることができます。

私共といたしましては、今後も団体さんと協働させていただき、ドナーの寄付を託させていただきたいと考えております。

◇NGOを支援する理由

こちらは、私共がNGOを支援する理由をかかせていただいたものです。
これからは、NGOや企業等が国を引っ張っていく時代になるかと思います。時間がないので次にいかせていただきます。

 

◇最後に 〜ノーブレス・オブリージュという考え方〜

最後に、私自身の寄付に対する考え方を述べさせていただければと思います。

「ノーブレス・オブリージュ」という言葉があります。「高貴な人々の義務」という意味で、1000年にわたり長く栄えたローマ帝国を支えたのは、この思想だったといわれています。貴族という地位にある人々ほど戦争の時、自ら前線にたち戦い、公益のために自らの土地を寄進したといいます。

私なりに訳しますと、「恵まれた状況に生まれついたものは、その与えられた幸運に見合うだけの社会的責任や義務を果たさなければならない」というものです。

私たちはたまたま偶然にも、この日本に生まれてきました。高い教育を受けることができます。日々の食事や水に困ることは今のところありません。自由に人生を選択することができます。

このことに感謝し、生まれながらにして得られた恩恵を社会のために生かし、還元していく意識と責任をもって多くの人々が過ごすことができれば、どんなに素晴らしい社会になるだろう、と思います。

寄付は、このノーブレス・オブリージュという思想を具現化することのできる、一つの方法なのではないでしょうか。

それではこれで発表を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。